秀楽のラーメン
子供の頃、若い頃に覚えた味というのは、一生忘れられないと思うな、と思わせるのが、私にとっての秀楽のラーメンなのです。
秀楽のラーメンに辿り着くまでに、大阪の老舗にんにくラーメンの話を書いておく必要があります。
これまでのラーメンは一体なんだったのか?と思わせる程美味しかったのが、空心町のにんにくラーメンの雄、薩摩っ子ラーメン。
東天満の交差点の角にあります。以前はこのあたりは空心町という地名だったはずで、夜遊びを覚えた頃に連れられて行った空心町のにんにくラーメンは私の中で衝撃的なラーメンとなりました。
今と違って、ラーメンといえば中華そば、あとは味噌ラーメンに塩ラーメンぐらいしかなかった時代で、確か、交差点の回りに、何軒かにんにくラーメンがあった様に記憶します。
時々通りかかる東天満の交差点の角に、薩摩っ子ラーメンは総本店として今もその場所にあって、こうして書いてると久しぶりにと思ってしまいます。
今でこそ、ニンニク入りの豚骨にんにくラーメンは珍しくもなく、私が好きな豚骨ラーメンをざっと思い出すだけでも、5~6店舗の店はすぐに出せます。
東三国のにんにくラーメン幸ちゃん、天下茶屋のラーメン コーさん、本庄西のラーメン春光、空心町の薩摩っ子の味を受け継ぎ、自家製麺が美味い、あびこの麺匠 はなみち、こちらも、空心町ラーメン系の鶴橋のなにわにんにく らーめん 賛平。
空心町の味を脈々と受け継ぐ店が大阪には結構あるんです。
こうして、若かりし頃の私、空心町へ通いまくってた訳ですが、そんなに好きなら、と連れていって貰ったのが秀楽だったのです。
お気に入りだった空心町をもっとあっさり、もっと味わい深くした豚骨にやられました。
空心町と違って、昼間しかやってなかったり日曜日は休みだったりと、なかなか不便な店でしたが仕事の途中に立ち寄ったりして、足繁く通ったもんです。
ところがです、家庭を持ったり職を変えたり、足が遠のいた頃に、店主が体調を崩したとかで、あっさりと閉店してしまいました。
秀楽のラーメンは青春の味だと思い出話になっていた頃、あの秀楽が二代目秀楽として復活したと聞いたのです。
猛ダッシュで店を探して飛び込んだ二代目秀楽は、やっぱりあの懐かしい味、もちろん、にんにく入りの豚骨スープを注文しました。
これが秀楽のラーメンです。
正直、若い頃食べた秀楽の味というのがどんなものだったのか、というのは今となっては知るすべも無いわけですが、味というのはこうして思い出などと一緒に刻まれるもの、私にとっての秀楽はとにかく一番なラーメンなのです。
年をとって、今ではすっかり味の好みも変わってしまい、豚骨系のラーメンを食べたいと思うことは無くなりましたが、秀楽だけは別。時々近くを通りかかる際に立ち寄ります。
昔と違って大盛りは注文しませんが。
秀楽のメニュー
カウンターが6席ぐらい、メニューも至ってシンプルです。
ラーメン、チャーシュー麺、つけ麺に餃子、そして定食。
定食はラーメンにお皿に盛り付けたライスと漬物、ネギ大盛りとかにんにく増量とか細かいのはありますが、基本的にラーメンと餃子だけ。
ラーメンのスープは醤油や味噌なんかもあるようですが、秀楽はやっぱり豚骨でしょ。
守口秀楽への地図
大阪府守口市西郷通2丁目9-13
薩摩っ子ラーメン 総本店(追記)
後日談、記事を書いた後に、久しぶりにどうにも食べたくなって、薩摩っ子ラーメン行ってきました。
十数年ぶりの薩摩っ子ラーメン、間違いなく懐かしい味でした。