奄美三線の制作 販売 大阪の三線工房きよむら

奄美三線の販売状況

大阪での奄美三線の販売店

久しぶりに三線を新調しました、奄美三線です。

奄美三線・シマ唄を本格的に学びはじめて、まだ3年も経ちませんが、これまで、私の愛用していた奄美三線を購入したのはもう10年以上も前の話。

奄美大島の名瀬にある三線店で大枚はたいて購入しました。

ところがですよ、こうして奄美のシマ唄にのめり込んでいく間に、諸先輩方の三線の音を嫌というほど耳にしながら、シマ唄を知れば知る程、弾けば弾くほどに物足りなくなってきた訳です。楽器ってハマればハマるほど、際限なくこんな風になってしまいます。

私の中で理想の音が出来上がってきたというべきかもしれません。

奄美三線を本格的に弾き始めたこの数年、関西界隈の三線店はもちろん、故郷の奄美大島や沖縄の三線店など、彼の地へ飛んだ際には足繁く、色んな三線を眺めて手にしましたが、お金では無い何かが引っかかって、新しい三線の購入には至らなかったのです。

同じ棹の素材、例えば黒木でも、何故こんなに店によって値段が違うのか??
自分では出来ないメンテナンスや修理はどうすれば良いの??

縁が無かったからという話ですが、購入に至るまでの対応をしてもらえる三線店は皆無でした。沖縄では奄美三線がという話を切り出すと、「大島は触らない」と門前払いみたいな目にあったこともあります。

私の住む大阪に限らず、理想の奄美三線に巡り合うのは至難の業なのは間違いないでしょう。

三線工房きよむら

三線工房きよむら

そんな風に思っていた所、私の若い三線の師匠、奄美の若手唄い手ナンバーワンの声も高い、里朋樹が面倒見てもらっているという三線店へと同行したのが「三線工房きよむら」さんでした。

私自身も若い頃は究極の音を求めて、ギター弾いていたのでよーく判ります。まー、自分の世界の音を持っている楽器弾きほど煩く面倒な者はおりません。

その面倒くさい演奏者のリクエストに、嫌な顔一つせずに、これでどうだと調整する姿は、正に職人。メンテナンスの料金もご自身が納得するまで受け取ろうとしない姿に、大袈裟ではなく感動したのものです。

あまり大きい声ではいえませんが、その昔、私が大枚はたいて購入した奄美の三線ですが、購入した店へ足を運び、音が気に入らないのでなんとかする方法はないかと、相談したことがありますが「こっちの三線は良い音がするよ」などと、なかなかしぶい対応で、二度とその三線店で購入する気にはなりませんでした。

この奄美で購入した三線のことを、きよむらさんに相談したら、幾つかの提案いただいたんで、これはもう、私にとっては、すべてお願いしたいと思うのは当然のことだとおわかりいただけるでしょうか。

宮古民謡の唄い手 清村斉

三線工房きよむらは、屋号の通り、店主の清村さんが一人切り盛りする工房です。

奄美三線専門店みたいな書き方してしまってますが、宮古郡多良間島出身、沖縄の伝統的な三線を棹から削って作ることが出来る職人さんで、大阪で工房を開く前までは、沖縄で某有名三線店の店長をしていたそうです。

清村さん自身も沖縄は宮古島の唄者で、清村斉withピンダ☆ピンザというユニット名でCDも出してます。もの凄く良いアルバムなので聞いてみて下さい。

何故、沖縄の方が奄美三線なの?という話なのですが、大阪には奄美三線はもちろん、沖縄の三線も組み立てから全部出来る、フルタイムで三線を作っている工房など皆無なのです。

これは沖縄を除けば、大阪に限らず、という話だとは思います。

もちろん、関西にも奄美三線を販売している店は何店舗かありますが、細かいリクエストに答えて組み上げてくれるとか、実際に目の前で工具を握って調整してくれる三線店などはありませんから。

沖縄三線、奄美三線、見た目は弦が違うぐらいで大差無いと思うかもしれませんが、それぞれの三線の特徴を十二分に引き出して組み上げてくれるのが清村さんの三線工房です。

三線職人としてのプライドと向上心で色んなリクエストに答えてくれるという話なのだと勝手に思ってます。そんな訳で、清村さんの仕事ぶりが口コミで広がって、関西在住の奄美三線弾きは結構お世話になっている者が少なくないです。

今では、関西だけではなく、関東からもメンテナンスのために清村さんの工房へ三線を送ってくる方も少なくありません。

>>> 三線工房きよむら

三線が出来るまでの流れ

三線工房きよむら

今、私の手元には、沖縄三線、奄美三線と幾つかの三線がありますが、それらは全部、譲ってもらったり、出来上がって弦が張られ三線店先の店先に並んでいる物をこれくださいと購入したものです。

音の好み、良し悪しなどを、偉そうに語る様になったのはつい最近の話です。

これは仕方が無いと思います、これから三線を始めようかと思ってる方も、同じく以前の私と同じで、どんな音が良いとか、判断出来る訳がないでしょうから、まずはそこそこの物を購入するのも悪く無いと思います。

そこそこというのは、空港などのお土産屋で売っている様なものじゃない、キチンとした三線店で購入した三線です。

沖縄三線と奄美三線は姿形は同じですが、厳密に言えば求める音が違うので、奄美三線をよく知らない三線店も多いです。沖縄三線に大島弦を張っただけという三線も普通にあるので、その辺りのことを良く知っている店で購入するのが良いのは言うまでも無い話です。

その点、清村さんの工房は、前途の通り、私を含めた奄美三線の愛好者が沢山出入りするし、研究熱心なので、色んな相談に乗ってくれるでしょう。

三線の棹

三線の棹

今回の三線は、ズラッと壁にぶら下がった色んな棹の中から、好みの音、そして気になるお値段も考慮して棹材を選びました。

余談になりますが、長年寝かした原木、木そのものを選んで、その木を削って作って貰うことも出来ます。いつかは、そんな材料を使って、何ヶ月も出来上がるのを待つ様な三線を、生きている間には必ずと思ってます。

私はとにかく、高い声で唄えないので、低いチューニングでも、乾いた抜ける様な高い音、里朋樹の音、みたいな相談をしてみました。

ならば、やっぱり黒檀系の重い棹材が良いのではないか、ということでお値段も黒檀に比べるとお手軽な「縞黒檀」の棹をチョイス。きれいな模様が入っており見た目も美しい棹です。

後は出来上がるの待つだけと連絡を待っていたところ、電話がかかって来て、「選んでもらった棹で組み上げて見たら若干の反りがあるんだ」とのこと。

早速工房に駆けつけたところ、私レベルじゃ、言われなければわからないぐらいの不具合だけれど、気になると清村さん。同様の棹が後二本あるからと、最初選んだ棹よりも若干重い、同じく縞模様が美しい棹が私の三線になりました。

なんと親切な話です。

言われなければ判らない不具合のある棹は、今しばらく寝かせて、これ以上「動くかどうか」見極めてからどうするか考えるんだとか。

三線の皮と胴

三線の皮

沖縄の三線は、やはり本皮張りが一番上等だと言われますが、今の時代の奄美三線はその弾き方からして本皮を好んで使う人は少ないです。

バチで皮を叩きながら弾く奄美三線は、本皮は破れるリスクや、現在の奄美三線の音の主流は本皮張りでは出し辛いというのがその理由でしょう。

私の様に、高い声で唄うことが出来ないと、チューニングがどうしても低くなってしまいます。緩い弦の張り方でも乾いた高い音という私のリクエストからすると、人工皮じゃないと、という話にもなります。

面白い話を聞けました。

人工皮だと今は色んな模様や色の皮がありますが、この黄色っぽい皮も良いねと工房の三線を眺めていたら、一般的な蛇模様のプリント皮の方が、強く皮を張ることが出来るのだそう。

更に、ボディに使用する枠木も分厚い特別な物を使って、強い張りに負けない物にしてみようとのこと。職人の気合いを感じます。

かくして、かなり強い張りにしたという、緩く弦を張っても乾いた高い音の鳴る三線が出来上がりました。これからしっかりと弾き込んで、更に音に対するリクエストが出来る様に拘って行きたいと思っています。

こうして好みの音の三線を作って貰えたというのは、この上ない贅沢な環境なのは間違いありません、良い縁をもらったものだとつくづく思います。

三線の装飾品や小物

三線 ティーガ

三線本体が出来上がれば、次はティーガ(胴巻き)を選びです。

ティーガは好みの物を選ばせてくれます。棹以外に個性を出すのはこの部分だろうと思います。ティーガなどは、素材やデザインによっては、何万もする物があったりしますが、直接音に関係する物では無いので悩ましい装飾品です。長く使う間に擦り切れたりするので、定期的に交換することになるでしょう。

カナクリ(糸巻き)、糸掛けの色やコマの材質なども好みの物があるならば、伝えて見るのも良いでしょう。

三線工房きよむらへのアクセス

西淀川区の国道2号線沿いにあります。

駐車場はありませんので、車でのアクセスの際は界隈のコインパーキングを利用します。

電車でのアクセスの際には、阪神の千船駅から歩いて10分ほど、清村さんご自身のライブ活動や三線教室などで留守にされていることもあるので、伺う際には、電話して尋ねるのが確実です。

TEL/FAX 06-6474-3906


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