ここの所、奄美民謡ではなく、沖縄の三線も手に入れて、沖縄の民謡にも取り組む様になりました。とりわけ夢中になっているのは、沖縄民謡の中でもマイナーな宮古民謡です。
目次
沖縄民謡の各ジャンル
沖縄の民謡と一言でいっても、幾つかのジャンル分けがされることは、一般的には知られていません。
沖縄民謡は大きく別けて三つ、沖縄本島の民謡、八重山民謡、宮古民謡にわけられます。沖縄を琉球と括るならば、これまで何度も紹介している奄美大島の奄美民謡も加えられるべきでしょう。また、沖縄本島には、古典という世界もあります。
この沖縄民謡の各ジャンルも、村々によって少しづつ変わってくると言う多様性を持ち合わせているのが民謡と言う音楽です。
沖縄本島と他の島々の唄の関係
琉球王朝の時代から、沖縄の国は沖縄の本島、首里の地を中心に動いていたわけですが、それは民謡も変わりません。
全部の唄がそうとは言いませんが、各島々で歌われていた唄が沖縄本島に伝わり洗練された唄として本島で人気を博したという例は少なくありません。民謡は島々の間を常に行き来していています。
例えば「サーユイユイ」のお囃子で、知名度は一番じゃないかと言われている「安里屋ユンタ」も元を手繰れば八重山民謡の唄の一つです。
八重山の竹富島に行けば、安里屋ユンタの唄の中の登場人物のクヤマの生家やお墓があって、観光客の訪問が絶えないんだとか。
こうして、あちこちの島々の唄に触れていることで気がついたのが、奄美大島の唄も、幾つも沖縄本島や島々に伝わっているのを目の当たりにして嬉しく思っています。
沖縄民謡の名曲ベスト5と歌手紹介
民謡を内地の友人知人に伝える伝道者?として最近良く思うのが、まだまだ沖縄民謡に対して内地の方は理解が浅いなと感じます。
三線が鳴っていれば沖縄民謡だと思ってる方が少なくありません。
沖縄に出かけた際、BEGINの島人の宝とかTHE BOOMの島唄の生演奏を聞く機会があって「沖縄民謡最高!」って奄美民謡な私に如何に見聞きした三線音楽が素晴らしかったかを語られるのです。
沖縄民謡のこと色々教えてね、と言うので民謡のメジャー所を見繕って用意すると、言葉も全く判らないのでこの曲は今ひとつ、とか言われてしまったりします。
三線がこれだけ内地にまで知れ渡ったと言っても、民謡の認知度はまだまだこんなもんだという話です。
沖縄民謡に限らず、日本の民謡と言う音楽のジャンルはマイナーです、沖縄民謡はBEGINやBOOMのお陰で陽が当たっている方だなと思われます。
安里屋ユンタ
ステージでは、サーユイユイのお囃子で盛り上がります。
紹介した通り、八重山の竹富島で歌われてきた唄が、沖縄本島に渡り大ヒット、沖縄民謡を代表するまでの民謡となりました。
実は沖縄民謡の世界では、沖縄本島で歌われる安里屋ユンタは、「新安里屋ユンタ」として区別され、「安里屋ユンタ」といえば八重山の唄を差します。
親しみやすいメロディ、難しい方言も使われてなくて知名度ナンバーワンの唄なのは間違い無いのでは!?
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十九の春
琉球民謡じゃ無い、と言われることも多いですが、十九の春をレパートリーとする沖縄民謡の歌手は多く、ステージでは即効で歌われる十九の春の男女の掛け合いはこれぞ民謡です。
1975年にばたやんこと、田端義夫が歌って全国的に大ヒットしたので、内地でも私よりも年上の方はよく知る唄でしょう。沖縄の唄をばたやんが歌ってヒットしたのではなく、この唄のルーツをたどると、明治の時代に内地で流行した「ラッパ節」だと考えられ、唄の伝播の面白さが伺えます。
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唐船ドーイ
沖縄民謡のステージでは終盤で必ず歌われるノリノリの唄が唐船ドーイです。
本島ではカチャーシ、八重山に行くとモーヤー、宮古へ行ったらクイチャーと呼び方も変わりますが、手を上げて、ひらひらさせながら踊るあれです。
類似の唄として唐船ドーイなど、これぞ沖縄民謡という曲は沢山あります。
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てぃんさぐぬ花
てぃんさぐの花というのはホウセンカの花のことで、ホウセンカの花の汁で爪を染める様に、親の言葉は肝に染めなさい、そんな親から子への教訓歌として県民愛唱歌にもなっている唄がてぃんさぐの花です。
沖縄のゆいレールの県庁前駅への社内到着メロディ、そしてなんか嬉しいのか、JR大阪環状線の大正駅の発車メロディにもなっています。
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ナークニー
沖縄本島の民謡を代表する抒情歌として知られる唄がナークニーです。島人の宝や島唄を聞いて沖縄音楽に興味を持った方にはなかなか馴染めないだろう、民謡の王様だとも呼ばれます。
「八八八六」の琉歌に乗せて唄われる歌詞は多種多様で、唄遊びの席では一番歌われていたとも言われています。
同じ様な抒情歌として、八重山には「とぅばらーま」宮古には「トーガニ」があります。
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登川誠仁
琉球民謡登川流宗家、琉球古典音楽湛水流師範。2013年に80歳で亡くなりました。沖縄民謡と言えば登川誠仁と言われるほど、その人柄を慕い褒め称える声は、こうして民謡をやっていると、時おり耳にします。CDなどの音源に加え、著書や出演した映画のDVDなども沢山あるので、今もその音には触れることが出来ます。大阪には登川流の教室も沢山あって
大城美佐子
絹糸の声と称される声は今も健在です。ご自身のお店、那覇の旭橋の民謡酒場「島思い」のステージに立ちつつ、全国各地でライブ活動を精力的に行われています。戦後沖縄を代表する唄者として知られた故嘉手苅林昌先生をして「コンビ唄はミサーに限る」と言わしめたという話は有名。登川誠仁先生と同じく、CDなどの音源に加えて出演映画など音源は沢山です。2012年にレコーディングされた誠仁先生とのアルバム「デュエット」はお気に入りのアルバムです。
>>> 大城美佐子の店「島思い」(しまうむい)
国吉源次
宮古民謡と言えば国吉源次先生です。直接お会いしたことは一度もありませんが、私が宮古民謡を学ぶ先生も、源氏先生の孫弟子?ぐらいに当たるそうで、私はもしかするとひ孫ぐらいになるのかもしれません。
大工哲弘
沖縄県無形文化財に指定される、八重山民謡の第一人者です。八重山民謡と言えば大工先生、大阪にも教室があって、精力的に活動しておられます。
>>> 大工哲弘 南風ぬイヤリィ
宜保和也
石垣島出身の若手歌者。全国各地でライブを行う個人的にお気に入りの唄者です。若者らしくYou Tubeなどを活用しているので、私も随分勉強させてもらいました。
>>> 宜保 和也 Official Website
上間綾乃
歌唱力に三線の腕、若手女性なら上間綾乃っていうほど彼女もまたお気に入りの唄者。
>>> 上間綾乃 Official Site
大阪で沖縄民謡を楽しめる居酒屋
当ブログでは以前も別記事で紹介しましたが、大阪には沖縄民謡を楽しみながら飲食が出来る店が沢山有ります。沖縄からやってくる大物唄者から、無名の唄者まで、沖縄ポップスから民謡までたっぷりと楽しむことが出来る店です。
ただし、民謡を聞きたいのに沖縄ポップスだったり、また逆もしかり。よく調べてから足を運ばなければ、残念な思いをするかもしれません。