六線と三線

三線と六線

見ての通り、読んで字の如く糸が六本ある三線なので六線です。

六線とは

構造は三線とほとんど同じ容姿ですが、弦が六本になるので糸巻きも六本になります。

一人で弾いても、合奏している様な広がりのある音が鳴るので、沖縄系の唄者はライブで使っているのを時々見かけることがあります。私は沖縄で見た、登川誠仁さんが弾く六線が印象的で、格好良く、ずっと憧れていたのです。

戦後の沖縄を代表する唄者であった、登川誠仁(のぼりかわ せいじん)さん、2013年に80歳で他界、幸運な事に私は2度その生演奏を聞いた事があります。

この動画の誠仁さんの六線は奄美弦と沖縄弦を組み合わせてるように見えます。私がやってみたいのは、正にこれなのですが、未だ弾きこなすには至っていません。

六線は二本いっぺんに弦を押さえるわけですが、奄美の島唄三線の細い動きを再現するのは不可能なんじゃないかと思っています。練習あるのみ、と言ってしまえばそれまでの話ではありますが、六線に合う曲、そうでない曲があるなと思います。

六線のデメリット

最初は誠仁さんのステージでの姿が格好良く、見てくれだけで手にしたいと思ったのですが、弾きこなすには相当な苦労があることは手元に置いてすぐに気が付きました。

ちんだみ(調弦)がとにかく面倒

六線

一つの糸掛けに二本の弦を結ぶ必要があります。

カナクリとカナクリの間隔が狭いので、微調整がしづらい。

何番の糸を巻いているのか、など目視しないと未だ判りません。

六線専用のウマ

弦を支える、六線のウマは、当然ですが溝が六つある特殊なものです。

ただでさえ、ギター関係の様に、気軽に購入する事が出来ない三線の消耗品の類は六線用のものも加わり更に増えました。

重いかもしれない

もちろん材質にもよりますが、若干、竿の太さも太く長いために重いと感じるかと思います。

私は普段から、材質から胴の作りまでリクエストして「重い」三線を愛用しているので重さはそれほど苦には感じませんでしたが、後述しますが、たった数センチですが「でかい」と感じました。

ケースが無い

六線

写真では解りづらいかもしれませんが、カナクリ(糸巻き)の数が増える分、六線は数センチ竿の長さが長くなってしまいます。

そうすると、ケースに入らないという問題があり、これがなかなか深刻です。

ハードケースは幾つか試しましたが全滅で、ソフトケースに無理やり入れての持ち歩きとなりました。

六線を購入する際には、必ずケースのことも考えておかなければ、後で面倒なので、購入する三線店で必ず相談した方が良いです。

 

こんな感じで、色々と苦労もありますが、だからこそ、弾きこなすと格好良いと言う話ではありますね。

六線の販売

六線はどこで販売されているか??

当然三線店なですが、六線を購入しようと思うぐらいに三線にどっぷりな訳ですから、棹から選ぶ様な店で作って貰うのをおすすめします。

上記の通り、六線には色々な苦労が少なからずありますから、カナクリの微調整など見てもらえる店があると色々安心ですし、三線店とのやり取りを積み重ねることで、三線への理解はどんどん深まります。

高価なものか?といえばそうでもないです、普通の三線と変わらずといった感じ。予算を告げればそれに合わせた六線の相談に乗ってくれます。

逆に言えば、そんな相談にも乗ってくれない様な三線店は、六線を買おうとしている方には不向きじゃないかと思います。

当たり前の話で、土産物と一緒に並んでいる三線を扱う店で、そんなこと相談しても、無理だとか言われますよね。

内地でも、先日、イオンの楽器屋で三線を見かけましたが、同様にそれは楽器問屋から仕入れてきて置いてあるだけの代物、相談には乗ってもらえるかもしれませんが、店員さんには下手すると六線が通じないかも知れません。

一生付き合える三線店との出会い、私も十数年三線を弾いてようやくですから、内地ではなかなか難しいかもしれませんが、それなら沖縄まで出かけて、とまで思うぐらいに、三線店との付き合いは大事だと思う、という話でした。


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